栃木市の2施設にグッドデザイン賞 「歴史や文化を重層的に感じさせる」と評価

下野新聞
2023年10月22日

昨年度開館した栃木県栃木市入舟町の栃木市文学館栃木市美術館がこのほど、日本デザイン振興会の本年度グッドデザイン賞に選ばれた。旧栃木町役場を改修した文学館とモダンなデザインの美術館が、市の歴史や文化を重層的に感じさせる点などで評価された。

グッドデザイン賞は、デザイン性を生かし、社会の課題解決に貢献した建物などに贈られる。

蔵をイメージした美術館

県庁堀に囲まれる両施設は、旧栃木市役所跡地の利活用の一環として整備された。国の地方都市リノベーション事業に選ばれ、市が2017年に基本計画を策定。両施設で約35億円かけて整備した。設計は佐藤総合計画(東京都墨田区)が担当し、文学館は22年4月、美術館は同11月に開館した。

旧栃木町役場を改修した文学館

文学館は1921年に栃木町役場として建てられ、その後市役所庁舎としても使われた洋風建物を改修した。新築の美術館は「蔵」をイメージした二つの角張った屋根が特徴。両施設は向き合うように並び、間には芝生の広場が整備されている。

審査員は「木造の文学館と対比的に、蔵を模した重厚なコンクリート造の美術館を向き合わせている。蔵の街で有名な近世からの町並みだけでなく、廃藩置県後の町の歴史を現代に可視化したことでも意義深い」などと評価した。

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