柔らかチキン、具だくさん豚汁 栄養満点、地産食材のごちそうずらり JOURNALCAFE(茨城・つくば)

茨城新聞
2023年10月17日

筑波山の麓に広がる田園風景。のどかな風景に溶け込むように、三角屋根の建物が2棟建つ。

茨城県つくば市のカフェ「JOURNALCAFE(ジャーナルカフェ)」は2013年11月にオープンし、もうすぐ10周年を迎える。

木の温もりを感じさせる店内は、明るくさっぱりした雰囲気だ。3~4人のスタッフが笑顔で切り盛りする。

JOURNALCAFE=つくば市今鹿島

店長の池田弘江さん(48)は同市出身。「筑波山の見える場所に愛着がある。お客さんに安心できる空間と健康的な食事を提供したかった」と話す。

20歳のとき、デザインの勉強のため上京。24歳で同市に戻り、地元のカフェで修業した。27歳のときに筑波大付近にテナントを借り、カフェを約9年間営んだ。「いつかは自然の豊かな場所で独立店舗を」という夢をかなえるため、現在の場所に移転した。

店長の池田弘江さん(中央)と従業員

市内で農業を営む実家の野菜や米を使用する。みそや梅は手作り。野菜の自家栽培も行っており、秋には店舗裏の畑でサツマイモが育つ。近所の小学生の芋掘り体験にも活用するという。

お薦めランチは「ジャーナル野菜たっぷりヘルシーセット」(1480円、税込み)。メインと付け合わせは日替わりだ。

9月下旬にはチキンソテーとサツマイモの煮物が登場。柔らかく炒めた鶏肉を、カレーマヨネーズと豆乳、しょうゆを合わせたソースに絡めた。サツマイモは、蜂蜜としょうゆで甘辛く煮付けている。

「栄養満点で、男性にも満足できるボリュームで提供したい」。テーブルに届くトレイには新鮮なサラダや具だくさんの豚汁、漬物、豆乳のスイーツ、飲み物がずらり。お米は地産で、五穀米と胚芽米のご飯か、白米が選べる。しっかりと味付けされた彩り豊かなごちそうが並ぶ。

ランチメニューには、ハヤシ風トマトカレーやオムライス、焼きカレードリアなどもある。

デザートで人気の「黒ごまのジェラートと黒みつときな粉のパフェ」(650円/税込み)も、小ぶりな器ながら満足感の得られる一品だ。

黒ごまのジェラートと黒みつときな粉のパフェ

黒ゴマジェラートは濃厚で、リッチな味わい。たっぷり乗った生クリームと一緒に、スプーンで突き崩しながらいただく。バニラアイスや砕いたサブレ、きな粉と混ざり合い、複雑な食感や和洋折衷の甘みが口に広がる。

ミルクピッチャーに注がれた黒みつをかけると、わらび餅のような”味変”が楽しめる。

女性客を中心に、若者から年配者までさまざまな客が訪れる。子ども連れも安心して利用できるよう、ベビーカーが通りやすいゆったりとした空間になっており、幼児向けの椅子も用意した。

屋根裏部屋のような2階席は程よく広く、家族やママ友と談笑しながら、オムツ替えもしやすい。

店内の様子。人数や気分に応じてさまざまな空間が用意されている

車いすの客が1人で来店しても大丈夫なように、入り口には木のスロープを設けた。

レジカウンターの下の本棚には、池田さん所有の雑誌やビジネス書、絵本などが並ぶ。小窓から田舎道を眺めながら、ゆっくりページを繰っていると、日々の忙しさを忘れるような、心地よい時間の流れを感じる。

「いろいろなお客さんの気持ちに寄り添いたい。適度な距離感で、マイペースに心地よく過ごしてもらいたい」。コロナ禍を経て、その思いはますます強くなった。静かで細やかな”おもてなし”が隅々まで行き届く、心が温かくなるカフェだ。

火曜定休。営業時間は月・金曜日は午前11時~午後3時、水・木曜日は午前11時~午後4時、土・日曜日は午前10時から午後4時。問い合わせは029(896)6842。