歩く茨城県北観光、世界発信 新名称「常陸国ロングトレイル」 ヨルダンと協定
茨城県は県北6市町の里山や観光地を結ぶトレイルコースの名称を10月1日、「常陸国(ひたちのくに)ロングトレイル」に刷新し、国内外に売り込む。世界的人気の「ヨルダントレイル」と誘客への連携協定を交わし、ブランド力を強化するなど広く発信する。
これまでの名称は「県北ロングトレイル」。大井川和彦知事は「茨城県を代表するコンテンツに成長している」と強調する。
新名称の常陸国ロングトレイルは、海外向けを意識した。「Hitachi」の文字や響きが「海外観光客にも訴求力がある」と説明。今後、各分野で茨城県ブランドとして活用したい考え。
県は10月13日、同トレイルの発展に向け、ヨルダントレイルを管理運営する協会とパートナー協定を締結する。横山征成副知事が現地を訪れ、調印する予定。協定では相互にプロモーションを展開するほか、世界中から訪れるヨルダントレイルのファンに売り込む。
協定締結は、同国のリーナ・アンナーブ駐日大使と大井川知事が5月、日立市や常陸太田市のコースを共に歩いたのがきっかけとなった。県は当時の様子を計5本のプロモーション動画に仕立て、動画投稿サイト「ユーチューブ」で公開を始めた。
1日からは、コース上でデジタルスタンプラリーを展開する。登山地図衛星利用測位システム(GPS)アプリ「YAMAP」を活用し、絶景ポイントや観光地などでスタンプを集めると、飲食店や宿泊施設、土産店など協力店27カ所(28日現在)で、割り引きサービスが受けられる。来年1月15日まで。
ロングトレイルは、自然や歴史、文化を感じ、住民との交流を楽しみながら歩く旅。常陸国ロングトレイルは北茨城、高萩、日立、常陸太田、常陸大宮、大子の6市町を歩く。
県が2019年度から整備を進めており、完成すれば全長320キロの里山道となる。昨年度までに常陸太田-大子、常陸太田-日立-高萩などを巡る約105キロが開通。本年度は約110キロが整備を終え、全コースの3分の2がつながる見通し。
大井川知事は「日本の原風景を体験できるのが強み。観光地として競合する栃木や群馬、神奈川、静岡などとは違う角度で、海外を含む観光客にアピールできる」と話した。