「風呂でかき氷」飽きるほど 4代目店主が多い理由 富田屋氷室(群馬・伊勢崎市)《炎天のオアシス》

上毛新聞
2023年8月8日

群馬のかき氷店をいくつか取材して、3代目や4代目の店主が多いことに気付いた。伊勢崎市の富田屋氷室の店主、武厚さん(63)も4代目に当たる。「熱い風呂に入りながらかき氷を食べたりとか、子どもの頃に飽きるほどやった。今はほとんど食べないかな」。氷を提供する役割に専念する。

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持ち帰りもできるかき氷は大きめのカップに盛り付けてある。いちご、甘露、ブルーハワイ、ピーチなどが各400円で、抹茶は500円。あずき、ミルクは各100円増し。

店は100年以上の歴史がある。武さんの曽祖父が製氷会社を立ち上げたのが始まりという。「この辺は昔、養蚕が盛んで、たくさんの氷が必要だった。それで氷屋がいくつもできたと聞いている」。伊勢崎市文化財保護課によると、暑さに弱い蚕種(さんしゅ、カイコの卵)を保管するため、地下のひんやりした貯蔵庫で氷を使っていたという。

養蚕が盛んだったおかげで、氷店が繁盛した。現在、養蚕はほとんど行われていないが、いくつかの氷店は3代目、4代目が引き継いでいる。40度に迫る暑い夏にかき氷を味わえる恩恵に感謝し、さっぱりしたレモン味をいただいた。

■富田屋氷室
群馬県伊勢崎市中央町11-2
営業時間 午前11時~午後6時(ラストオーダー同5時半)
夏季は原則無休
電話 0270-25-0591

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