「道の駅常総」オープン 茨城 新たな拠点、観光PR
首都圏中央連絡自動車道(圏央道)常総インターチェンジ(IC)付近で整備を進めてきた「道の駅常総」がオープンした。茨城県常総市に人を呼び込む観光拠点として期待が高まるほか、人工知能(AI)技術の実証実験場や防災施設としての役割もあり、新たなスポットとして注目を集めそうだ。
道の駅常総は大型連休を目前に控えた4月28日に開業した。2階建てで、産業団地「アグリサイエンスバレー常総」のエリア内にある。地元特産品を中心に扱う物販店やレストラン、カフェを備え、市は道の駅自体が目的地となるような滞在型施設を目指して年間約100万人の集客を見込む。
1階にある情報ラウンジには、デジタルサイネージ(電子看板)を導入。市の観光情報やイベント情報を発信することで、道の駅を起点に市内周遊につなげていく。
敷地内ではAI技術を使った小型乗り物「マイクロモビリティー」の実証実験も予定される。昨年6月に同市とマイクロモビリティーの実証実験などに関する協定を結んだ自動車メーカー、ホンダの子会社「本田技術研究所」が行う。AIを搭載した自動走行車や自動追従ロボットの走行実験などが行われる見通しだ。
もう一つの特徴は防災機能だ。背景には2015年の関東・東北豪雨で鬼怒川堤防が決壊した常総水害の経験や、国が地域の防災拠点に位置付けられる「防災道の駅」の取り組みを進めていることがある。
施設自体は地盤のかさ上げなどの対策によって関東・東北豪雨と同規模の洪水では浸水しない造りになっている。それ以上の規模の洪水に見舞われた場合でも垂直避難ができるよう2階建てとした。
防災倉庫もあり、毛布や救急セット、非常用の飲料水などを保管。電気設備は2階に設置し、災害時には一時避難所としても利用できるようにする方針だ。
市アグリサイエンスバレー整備課の谷田川祐司課長は「常総市の魅力発信拠点としてだけでなく、市民の安全のため災害に対応できる施設という役割も担いたい」と話している。