版画や雨情直筆原稿、収蔵品54点展示 北茨城市歴史民俗資料館

茨城新聞
2023年1月27日

普段は見られない収蔵品を広く公開しようと、茨城県北茨城市磯原町磯原の市歴史民俗資料館で企画展「資料館収蔵品展-私たちの宝物-」が開かれている。日本現代版画を代表する版画家の一人である斎藤清氏(1907~97年)の作品や、同市出身の童謡詩人・野口雨情の直筆原稿など、計54点を展示する。2月26日まで。

企画展では、関連した展示機会がなく、普段は収蔵庫にある収蔵品を公開。斎藤氏は福島県出身の版画家で、世界的に活躍し、95年に国の文化功労者に顕彰された。版画16点を展示し、四季ごとに並べている。直筆の書や、素描集なども併せて紹介する。

雨情の直筆原稿は、「童謡と自由詩について」と題し、32(昭和7)年ごろ小学館が発行していた児童向け雑誌「せうがく三年生」に掲載するため書かれたと見られる。童謡は歌うものという前提で、歌いやすいよう言い表し方に注意することや、「童心」について雲を例に挙げて解説している。

会場では、市指定文化財の飛田周山作「大峯の行者」や、明治期の家庭科の教科書、本年度に市民から寄贈された古硬貨、記念硬貨なども展示する。

企画展に中心となり関わった一人で、同館の村田庸さん(26)は「収蔵品展ならではのバラエティーに富んだ展示。今回は版画もあり、美術作品を見る楽しみ方もできるのでは」と話した。

午前9時~午後4時半(入館は同4時まで)。月曜休館。入館料は一般320円、学生100円、市外65歳以上200円。