《キャンプを楽しもう》アスパイヤの森(水戸市) 人気高いオートサイト、子どもの遊び場も豊富

茨城新聞
2022年12月27日

水戸市郊外にある「アスパイヤの森」(同市有賀町)。ボルダリングやスケートボード用の施設も備える。豊かな里山の中に子どもたちの遊び場が豊富にあるのが特徴だ。

同キャンプ場は、アウトドア専門店「ウエッジ」(同所)が運営。「元々は人工スキー場や、ゴルフのショートコースがあった」と、管理者の小野瀬由宇(ゆう)さん(26)。前身のスポーツクラブは1974年、由宇さんの祖父で、県内にスキーを普及させた故小野瀬良男さんが立ち上げた。

新型コロナウイルス禍でのキャンプブームもあり、キャンプ場として3年前にリニューアルオープン。場内には約30サイト(区画)を用意。車が乗り入れできて電気が通る「オートサイト」をはじめ、「電源付きサイト」、電源なしの「区画サイト」、自由にテントを張れる「フリー・ソロサイト」の4種類がある。

中でも人気が高いのがオートサイト。電気毛布を使えるなど不便を感じず、満喫できる。初心者やファミリー層に喜ばれているそうだ。

子どもたちの遊び場の一つ「ボルダリングスタジオ」は受付棟の裏にある。今月初旬に訪ねると、子どもたちが、オレンジや緑など色とりどりの人工岩をつかみ、壁を登る姿があった。「手が届くかな」「もう少し…」と、ボルダリングを楽しんでいた。

宿泊者は1時間無料で楽しめるボルダリングスタジオ

 

一方で、里山の魅力も存分に味わえる。由宇さんは東京女子体育大卒業。教職課程も学んできたため、「子どもたちに、自然の中で遊び方を見つけてほしい」という思いが強い。

そのため、あえて里山の整備は最低限にとどめている。場内には、でこぼこした道が残っていたり、晩秋から冬には、ふかふかした落ち葉を踏めたりする。

家族3人で訪れた、さいたま市在住の会社員、野口陽平さん(40)は「自宅から約1時間半。アクセスの良さが魅力」といい、妻の希恵さん(39)は「自然の中はリフレッシュできる。遊び場が多いので子どもも喜んでいる」と笑顔を見せた。

「里山の良さや(水戸の)市街地とのギャップを味わってほしい」(由宇さん)(第3土曜日掲載)

■インフォメーション
住所…水戸市有賀町1805/利用料(1泊)オートサイトは4950円~。(サイトや時期によって異なる)。ドッグサイトもある。入場料は別途。大人(中学生以上)1100円、子ども(4~12歳)550円。3歳以下無料。犬1匹550円。薪(1束)…550~800円。貸し出し品なし。水曜定休。予約はホームページ(https://aspire-mori.com)で。

《マナー》環境への負荷にも心配り

食事の際、環境への負荷にも心配りをしたい。キャンプ初心者は、食材や調味料を必要以上に買ってしまう傾向にある。その結果、食べ切れずにごみにしてしまうことも少なくない。「いばらきアウトドアセッション」の光又新二代表(39)は「家で下ごしらえし、調味料は小分けで準備してみて」と勧める。

特に手間をかけたこだわりの料理は、生ごみや食器も増える。お湯が出ないキャンプ場も多いので、汚れを落とそうと、食器用洗剤を多く使うと環境に負荷をかけることになる。

洗い物をしない工夫を①調理器具や食器を最小限にする②自宅で洗う③たき火にくべる「たき火メシ」や木の板で調理する「プランクメシ」に挑戦する-の三つを挙げる。