球都桐生で空き家を改修し野球カフェが20日オープン バックスクリーン型TV、高校のユニホーム…
「球都桐生」の歴史や魅力を活用し地域のにぎわい創出に一役買おうと、野球カフェ「球場」が20日、群馬県桐生市本町にオープンする。高校球児の夢舞台、甲子園球場のバックスクリーン型の大型テレビなど、野球ファンらを楽しませる仕掛けを充実させた。オーナーの阿久沢幸(さき)さん(30)は「来店者の憩いの場になりたい」と話している。
空き家を改修した店内には、県内最多となる春夏通算26回の甲子園出場を誇る桐生高をはじめ、統合前の旧桐生西、旧桐生南を含む市内9高校野球部のユニホームを展示。メニューは阿久沢さんの祖父の好物で試合などに勝つことにちなんだカツ丼、注文を受けたその場で専用機械を使い、メロンソーダなどをボトルに詰めるテイクアウト用ドリンクなどを準備している。
阿久沢さんの父は、1978年の選抜甲子園大会で主砲として桐生高を4強に導き、群馬の高校野球史に名を刻んだ毅さん(62)。現在はバスケットボール男子Bリーグ1部(B1)群馬クレインサンダーズの運営会社社長などを務めている。
阿久沢さん自身は学生時代、サッカーに打ち込んだ。就職先の航空会社を2019年に退職後、「地元で人の役に立ちたい」と帰郷を決めた。
調理師免許の資格取得の勉強をしながら昨年6月、卸売り会社「STEM(ステム)」を設立。中高生向けのスポーツ用品販売を経て飲食業界に転換した。家族ぐるみの交流がある古民家カフェ「らいむ」(同市宮本町)の小川優子社長(62)からノウハウを教わるなど、準備を進めてきた。
16日のオープン前イベントには毅さんを通じ、多くの野球関係者が訪れた。阿久沢さんは「野球が好きな人はもちろん、そうでない人も楽しめるカフェにしたい」と意気込む。ステム会長を務める毅さんも「桐生には高校時代や指導者としてお世話になった。この店を起点に、桐生の地域活性化に役立つことができれば」と話している。