《食いこ》はがゆうおやつ工房(茨城・東海村) フランス菓子、輝く宝石箱

茨城新聞
2022年12月15日

「自分へのご褒美として食べてもらえたらうれしい。その気持ちが伝わるよう、味はもちろん、パッケージなどの見た目にもこだわった」

手作りのフランス焼き菓子を販売する「はがゆうおやつ工房」(茨城県東海村)の代表、芳賀裕子さん(52)はそう言って商品を紹介した。宝石をちりばめたような装飾の缶や、オリジナルロゴが描かれた袋にクッキーやスコーンが入っている。

約20年前、夫の転勤先のフランスに滞在した際、現地の焼き菓子のおいしさに衝撃を受けた。「味や香りが濃い。イチゴ味ならしっかりと酸味や果実の香りを感じるし、チョコレート味ならほろ苦さがある」。自らの手で「フランスの味」を再現しようと、試食をしながらレシピを練り直し、お菓子作りに熱中した。

帰国後、料理教室を主宰し、手作りの焼き菓子を提供したところ、「おいしい」「もっと食べたい」と評判に。そんな声を受け2018年11月、自宅敷地内に工房を構え、その隣に簡易テントを立てて販売を始めた。

芳賀さんによると、日本とフランスの焼き菓子の大きな違いは「味わい」。日本は優しい甘さや、ほのかな香りといった淡さが感じられるが、フランスは甘みだけでなく、酸味や苦味といった素材の風味がしっかりと感じられるのだという。

同工房ではフランスの味を再現するため、砂糖やフルーツ、乳製品といった材料を独自の割合で配合する。一方、「それぞれの土地で取れた材料を使った方が、よりおいしいものができる」と、小麦粉やバターは国産がメイン。営業日を問わず、ほぼ毎日10種類以上ある商品を焼き上げ、ブランドマネジャーの宇佐美早代さん(36)が広報などを担当している。

人気の「ビジュー缶クッキー」は3種類あり、ココアやバニラ、オレンジ、ピスタチオなど缶の色ごとに違う味が楽しめる。「ビジューはフランス語で宝石の意味。商品を手に取った瞬間やふたを開けた時、気分が高まるものにしたかった」と話す。

宝石箱をイメージした「ビジュー缶クッキー」

 

「お茶の時間が楽しみになるような、そんなお菓子を届けたい」。キラキラと輝く缶の中には、芳賀さんがフランスから持ち帰った感動がぎっしり詰まっている。

■お出かけ情報
はがゆうおやつ工房
▽東海村白方中央2の14の7
▽金・土曜営業
▽営業時間は午前10時~午後4時
▽(電)090(7192)6760
▽インターネットやJR水戸駅ビル「エクセルみなみ」などでも販売中。