干し芋残渣で芋焼酎 環境配慮し有効活用 茨城店舗設備

茨城新聞
2022年11月9日

農産物の低温倉庫設備などの設計、施工、販売を手がける茨城店舗設備(水戸市住吉町、富沢進吾社長)は、干し芋の生産過程で出るサツマイモの残渣(ざんさ)を活用した芋焼酎を販売している。

芋焼酎「ざんさの雫」は、原材料に県産紅はるかを使用。酒造会社の明利酒類(同市)が製造し、価格は720ミリリットルで1320円(箱入りは1430円)。フルーティーな香りとすっきりとした味わいで、初めて芋焼酎を飲む人でも飲みやすい点が特長だ。

芋焼酎販売に至った経緯について同社の富沢美智子専務は、県内では干し芋の生産が盛んな一方、製造の際にサツマイモの皮など、1個当たり約3割が残渣となることから、「有効活用できないか」との思いがあったという。

同社は今年7月、干し芋製造へ新規参入しようとする人たちが製造工程や設備について学ぶことができる研修機能を備えた施設「IBATEN(イバテン)ほしいもLab(ラボ)」を同市住吉町にオープンさせた。

研修では経営を持続させるためのこつや残渣の適正処理などを呼びかけ、利益追求だけでなく参入企業と業界全体の持続的発展を目指している。

富沢専務は「茨城が誇るサツマイモや干し芋を、環境配慮や循環型社会の中で発信していく手助けができれば」と話した。

芋焼酎は同施設に併設する直売所で購入できる。