観光やイベントに焦点 学生目線の茨城魅力向上

茨城新聞
2016年11月25日

民間調査で全国最下位が続く本県の魅力度向上に向け、若者たちが知恵を絞っている。県内13大学・高専で組織する「いばらき地域づくり大学・高専コンソーシアム」の新たなプロジェクト。若者の目線で観光やイベントなどに焦点を当てた魅力度アップの方法を模索する。参加する学生たちは「学生パワーで茨城を元気にしたい」と意気込んでいる。

「県の魅力度向上に向けた学生ワークショップ」に参加するのは、同コンソーシアムのうち10大学・高専の男女約20人。民間調査会社・ブランド総合研究所(東京)の地域ブランド調査による都道府県の魅力度ランキングで、本県は最下位が続く。学生たちは9月末から、魅力度の向上に向けたアイデアを提言するのを狙いに、話し合いを重ねている。

茨城キリスト教大3年の平賀千帆里さん(21)は「生まれ育った茨城の魅力度アップに少しでも貢献して、堂々と茨城が好きと言えるようになりたい」とし、「若い力、若い智恵が集まれば、新しいすごいことができると信じている」と強調。また、別の大学3年の女子学生(21)は「学生ならではの発想で県民意識に訴え、茨城に対するネガティブなイメージを払拭(ふっしょく)したい」と意気込む。

これまで3回の会合で、本県の魅力を盛り込んだ「観光コース」づくりをメインテーマに据えた。ネットを活用した観光スポット案内▽食や体験、歴史、季節などテーマを絞ったバスツアー▽多世代で楽しむ交流ツアー▽地域の隠れた名所巡り-など、次々とアイデアが飛び出した。観光ツアーの企画を完成させ、旅行会社のツアーコンペに応募するのを目標とする。

このほか「食、音楽、スポーツの複合型イベントの開催」「県の木・梅の街をつくろう」「CMを作製して県内外へのPRを強化する」など、魅力度を高めるためのイベント開催や街づくり、情報発信といったさまざまな視点で意見が出された。

ワークショップのまとめ役を務める茨城大2年の渋谷直樹さん(21)は「若者の突拍子もない考え方は、停滞する現状を打開できる大きな力を秘めていると思う」とし、「茨城を元気にするための一つのムーブメントを起こしたい」と意欲を示す。

ワークショップの成果は来年2月にも開催する記念シンポジウムで発表する方針。

コンソーシアムは昨年3月、本県の地域振興や人材育成を狙いに活動を開始。若者目線の活動を中心とした事業などを繰り広げる。同年9月に、第1弾プロジェクトとして道の駅「ひたちおおた」と連携したPRや販促活動などを始動させた。今年8月にはコンソーシアムの参加が県内13大学・高専に拡大。今回のワークショップは第2弾プロジェクトとなる。

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