果汁に漬けた梅干し 大洗の漬物店 県の特産品活用
茨城が誇る特産品を広めようと、大洗町磯浜町の老舗漬物店「吉田屋」(大山岳夫社長)は、本県産の梅を果汁で漬け込んだ新感覚の梅干し「UMEFULL(うめふる)」を開発した。リンゴ、ブドウ、メロンの3種類あり、既にJR水戸駅の土産店などで販売。同社は「梅干しが苦手な人でも食べられる味。多くの人に食べてもらいたい」と仕上がりに自信を持ち、今後は県内外へ販路の拡大を目指す。
梅はかすみがうら市産で粒の大きさと厚い果肉が特徴の「加賀地蔵」を使用。果汁は大子町産リンゴ、常陸太田市産ブドウ、鉾田市産メロンをそれぞれ使用している。同社はJR東日本グループと連携し、これら地域の特産品を活用して加工販売までを手掛ける6次産業化事業の一環としてうめふるを構想。開発・加工は同社が担い、同グループが販売場所の提供など多方面からバックアップした。
同社によると、今春から夏にかけて開発が進められ、梅の大きさや使用する果汁の選定など試行錯誤を繰り返し、最終的に3種の果実を使うことに決めた。塩抜きした梅を果汁に4日間漬け込んで作るという。口にすると、柔らかな食感で最初にフルーツの味が広がり、確かな梅の酸味も感じられる。
1瓶3粒入りで各540円。3種類セットは1620円(いずれも税込み)。同社の自社店舗のほか、いずれもJR水戸駅の土産店「IBARAKI E-MONO(いばらきいいもの)」と「おみやげやプラム水戸」で販売されている。
同社常務の大山壮郎さん(38)は「梅のイメージを変えるデザート感覚の梅干し。県内外に販路を広げ、茨城の食の魅力を知ってもらいたい」と話した。
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