田舎暮らし体験住宅 稲敷・11月1日オープン

茨城新聞
2016年10月15日

都会の若者が気軽に田舎暮らしを体験できる短期滞在型住宅「いなしき暮らしお試しハウス」が稲敷市で完成し、17日から宿泊希望者を募集する。築約50年の空き家を、同市の地域おこし協力隊員や市内外の若者らが約10カ月をかけて改修し、おしゃれな“カフェ風住宅”に仕上げた。実際に同市で生活することで街の魅力を肌で感じることができるのが利点で、市は同住宅を人口減少を克服する拠点の一つとしたい考えだ。オープンは11月1日。

同住宅は霞ケ浦近くの同市上須田にある空き家。市外からの移住を促進する拠点づくりを狙い、地域おこし協力隊員を中心に、昨年12月から改修作業が行われた。改修作業に携わるメンバーをインターネットの交流サイト「フェイスブック」などで呼び掛け、完成まで市内外から約80人が参加。天井板を剥がしたり、土間にコンクリートを敷き詰めたり、庭に芝を張るなどほぼ全てを手作りした。

“現場監督”を務めた同隊員の高島聖也さん(25)は、「コンセプトは古い家屋とモダンの融合。黒ずんだ柱や天井などと、自分たちで塗った白い壁がうまく調和していると思う。これなら都会の若者にも受け入れられるはず」と手応えを話す。

生まれ変わった住宅は、玄関口にまきストーブを設け、暖が取れるスペースを確保した。台所はあえて中央にキッチンを置くことで、大勢がキッチンを囲んで料理ができるようにした。ほかに20畳の応接間や寝室、風呂などもある。

住宅には最大1週間滞在することができ、同隊員が世話人として宿泊者をもてなす。高島さんによると、宿泊者には農業体験や自転車での市内巡り、霞ケ浦などでの水遊び、地域住民との交流といった体験型のプログラムを用意する考えという。

高島さんは「この取り組みは空き家活用の新たなモデルになると思う。田舎暮らしに興味がある若者は少なくないはずなので、ここに来て、都会からすぐに来られる田舎・稲敷を知ってほしい」と話している。

15日午前10時からは、完成を祝う式典をはじめ、内覧会、木材でのコースター作り体験などが行われる。

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