《路線バス 終点を行く》草津温泉バスターミナル 伝統と革新の温泉街
ㅤ吾妻路を長野原から草津へと進む。山道を上っていくと、道の駅「草津運動茶屋公園」付近にあるメロディーラインから「草津節」が流れ、湯の街が近づいてきたことを感じさせる。軽井沢駅をはじめ、各地からのバスが集う終点の草津温泉バスターミナル(草津町草津)に降りると、多くの土産店や、足湯を楽しむ旅行者など温泉街の風景が出迎える。
ㅤ近くの観光名所・湯畑周辺は、ここ数年で大きく変化した。2013年に日帰り入浴施設、御座之湯が再建されたのをきっかけに、14年には湯路広場が誕生し、昨年には、熱乃湯が新装された。
ㅤ温泉街を訪れる若者たちの間では、浴衣姿での街歩きがブームになっている。3年前から浴衣の貸し出しを行っている御座之湯では、黄色やピンクのカラフルな色合いのものから黒や紺など落ち着いた色まで約60着の浴衣が並ぶ。
ㅤ都内から大学の友人3人で訪れ、これから温泉街を散策するという榊原英莉さん(21)は「昨年初めて草津を訪れて街の雰囲気が好きになった。今年も自分のお気に入りの色の浴衣を着るのが楽しみだった」と笑顔で話した。グループやカップルで訪れ、おそろいの浴衣で写真を撮り、SNSなどに投稿し楽しむ若者も多いという。
ㅤ変化を続ける草津温泉のなかで、変わらないものもある。湯畑近くで100年以上営業を続ける土産店「草津温泉 湯の香本舗」(本多泰代表)では、漬物などを店頭に置き、年配者が店に入りやすくする工夫をしている。本多代表は「若いお客さんでにぎわうことは大歓迎。でも、昔からのお客さんを大切にすることも忘れてはいけない」と話した。
ㅤ伝統に革新が加わり、時代とともに新たな草津温泉が生まれる。
【草軽線】草軽交通(長野県軽井沢町)が運行し、軽井沢駅と草津温泉バスターミナルを結ぶ。浅間ハイランドパークや浅間牧場などを経由。所要時間は急行1時間16分、西吾妻福祉病院経由は1時間23分。
写真:趣のある風景を楽しめる湯畑
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