肖像や街並み地域を活写 古河歴史博物館、来月4日まで

茨城新聞
2016年8月9日

■写真館の作品など紹介
古河市内の民間の写真館と写真家の役割に光を当てた企画展「なつかし写真館」が、古河歴史博物館(同市中央町3丁目)で開かれている。写真だけでなく地域の歴史を刻んだ撮影者の素顔にも迫る内容。古河に関係する江戸時代末期の肖像写真から、1950年代の街並みや風俗などを伝える写真まで約130点が並び、写真と背景が分かりやすく解説されている。9月4日まで。

会場では、特に渡良瀬川に架けられた船橋や三国橋(初代の鉄橋)の建設風景などの写真を残した徳楽(とくらく)写真館(1889年創業)の作品が紹介されている。同写真館は1926年に地元紙「関東タイムス」に掲載された旧古河町の空撮写真の撮影も行った。

また、取り壊される前の旧古河城を撮影した武藤松庵や、足尾銅山鉱毒事件での谷中村強制破壊の様子を撮影した佐藤百寿(ももじ)らの業績を解説。53~57年に市内の風景を記録に残した鈴木路雄さん(79)の写真26点も展示されている。

古河に関係する最古の写真と考えられている古河藩家老の小杉監物の肖像写真=1868年撮影=も展示。写真中の敷物などから、土佐藩の志士、中岡慎太郎の肖像写真などで知られる堀与兵衛(1826~80年)が、京都で撮影したものと推定されるという。

担当した学芸員の立石尚之さん(53)は「写真館が街の歴史を記録し残してきたことに注目したい。古い写真を見て、懐かしさを共感してもらえたらうれしい」と話している。問い合わせは同館(電)0280(22)5211

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