家族愛、詩情豊かに 水戸芸術館

茨城新聞
2016年7月23日

写真と映像の作家2組による個展「記憶の円環 榮榮(ロンロン)&映里(インリ)と袁廣鳴(ユェングァンミン)の映像表現」が23日、水戸市五軒町1丁目の水戸芸術館現代美術ギャラリーで開幕した。家族愛を詩情豊かに表現した写真の展示や、特殊技術を駆使した映像表現が展開される。9月19日まで。

出展しているのは、写真家ユニットとして夫婦で北京を拠点に活動する榮榮&映里と、台湾出身の映像作家・袁廣鳴さんの2組。

榮榮&映里の榮榮さんは1968年、中国・福建省生まれ。映里さんは73年、神奈川県生まれ。2人は中国の社会的現実と向き合いながら、人と自然との関係性などを主軸に共同制作を続けている。袁さんは65年、台北市生まれ。ビデオアートの先駆者として、80年代後半から活動を始め、自ら開発した機器を用いた撮影と展示により、映像表現の可能性を追究している。

今個展で、榮榮&映里は、急速な再開発で変貌を遂げる北京の街や、日本の原風景が残る新潟県・越後妻有(つまり)地域を舞台に、自らの家族をモデルに撮影した写真を出品。袁さんは特殊映像技術を駆使し、家族や住まいなど個人的日常を題材とした作品や、福島原発事故に触発された作品を展開している。

同館の井関悠学芸員は「2組の個展として会場を区切っているが、両者の共通性や相違点などを楽しんでいただければ」と話す。

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