囃子の音、街に元気 水害被災の山車復活 常総の祇園祭

茨城新聞
2016年7月17日

常総市の夏を彩る「水海道祇園祭」が16日、同市水海道地区の中心市街地で始まった。昨年9月の水害で甚大な被害を受けた同市水海道橋本町の人たちも、水没した山車の修理を完了させ、街を元気に練り歩いた。

山車は、水害でさびついたブレーキやタイヤ回りを修理したほか、色をきれいに塗り直し、ちょうちんも新しく取り付けた。お囃子(ばやし)を任された同町の約25人の子どもたちが交代で乗り込み、太鼓や鐘を打ち鳴らした。山車の上で舞を披露した小学6年の鴨狩風花さんは、「少し前まで町の人に元気がなかったが、この祭りで笑顔が戻った」とうれしそうに話した。

同町は昨年の水害で高さ約2メートルまで浸水し、町内会が所有する大人用と子ども用のみこし2基と山車1基が泥水に漬かった。

このため、インターネット上で4月下旬から修理費を募った結果、締め切りの6月27日までに107万9千円を集めることに成功。みこしの修理は祭りに間に合わなかったが、山車だけは終えることができ、この日、大人も子どもも一緒になって山車を引き回した。

同町の古矢邦夫区長(75)は「全国から寄付が集まり、温かい言葉も頂いた。大変ありがたい」と感謝。同町青年会長の沼尻英晃さん(41)も「元気になった橋本町を多くの人に見てもらいたい」と話した。

祭りは17日が最終日。みこしと山車が1カ所に集まる「突き合わせ」は同日夜、同市水海道宝町の北村製布前交差点周辺で行われる。 

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