県北芸術祭、4エリアに30会場 86組決定、機運醸成へ
県北6市町を舞台に今秋開催される茨城県北芸術祭の展示会場計30カ所と展示内容などが23日、明らかになった。同日、実行委員会総会が開かれ、作品展示や運営などに関する実施計画案を全会一致で承認した。同案では、追加発表を含め、80組程度を予定していた参加アーティストがおおむね出そろった。9月17日の開幕日には北茨城市大津町の県天心記念五浦美術館で開会式典が開かれる。開幕まで4カ月を切り、県などは、作品制作・展示や機運醸成に向けた開催準備を加速させる。
実施計画案によると、展示会場は、五浦・高萩海浜(北茨城市、高萩市)▽日立駅周辺(日立市)▽奥久慈清流(常陸大宮市、大子町)▽常陸太田鯨ケ丘(常陸太田市)-の四つのエリア内に計30カ所設ける。
同美術館や日立シビックセンターなど公共施設のほか、海岸や廃校、道の駅、空き店舗を含む商店街などを活用する。日立市出身の建築家、妹島(せじま)和世さんは、浅川温泉(大子町)の廃業した旅館を改装し、足湯を作品として公開する。
これまで参加が決定したアーティストは、一般公募などを含めて計86組。複数会場に出展するアーティストもおり、作品・プロジェクト数は最終的に100を超える見通し。海外アーティストが約半数を占める。
展示作品は、屋内外にオブジェや装置を置くなどして空間全体を作品とするインスタレーションのほか、バイオアート、メディアアートなどで、会場で制作するアーティストも多い。
南條史生総合ディレクター(森美術館長)は「地元住民も含めた皆で芸術祭をつくり上げ、2回目以降も続けられるような成果を残したい」と意気込んだ。
芸術祭の会期は9月17日~11月20日の65日間。開幕日と閉幕日に式典を開き、開幕前日の9月16日には日立市内でレセプションを行う。開幕100日前と1カ月前にもイベントを開き、機運醸成を図っていく。
展示会場のうち有料なのは8施設で、屋外展示などは原則無料。会期中有効な作品鑑賞パスポートは7月に前売りを始める。作品制作や会場運営を手伝うサポーターも募集していく。
総会では、ほかに本年度事業計画案や、収入、支出とも約4億4千万円の予算案などを承認した。会長の橋本昌知事は「県北の自然や食文化、伝統、歴史を生かし、芸術祭をどう盛り上げていくかが今後、問われてくる」と述べた。
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