旧大竹酒造煉瓦蔵(前橋) 横手館本館(渋川) 今井酒造店(太田) 登録文化財に答申 文化審 意匠凝らした外観を評価
上毛新聞
2016年3月15日
国の文化審議会(宮田亮平会長)は11日、前橋市三河町の旧大竹酒造煉瓦(れんが)蔵と渋川市伊香保町伊香保の横手館本館、太田市鳥山中町の今井酒造店の3カ所9件を国の登録有形文化財(建造物)とするよう、馳浩文部科学相に答申した。意匠を凝らしたデザイン性の高い外観が評価された。
仕込み蔵として使われた旧大竹酒造煉瓦蔵は、大正後期に建築されたれんが造り2階建て。外壁の赤れんがはイギリス積みで仕上げられ、上部を階段状にし、出入り口の周囲は黒色の焼過れんがを混ぜ、立体感を演出している。
横手館本館は東西両棟が対象。1920(大正9)年の火事で焼失した後、東棟は同年中に、西棟は翌年に建てられた。いずれも木造で、東棟は3階建て、西棟は4階建て。西棟客室に残る、当時の大工が作った欄間や窓の建具の再現が難しいことも評価された。
今井酒造店は、店舗兼主屋や本蔵など明治期に建築された計6件。木造2階建ての店舗兼主屋は大規模住宅のたたずまいを残す。窯場及び瓶詰場は、妻面に意匠を凝らしている。
今回は全国で199件が答申された。本県の登録有形文化財(建造物)は、124カ所333件となる。