《釣り》茨城・那珂湊沖のマダコ 海底小突いて誘い出す 餌木使い手軽に
近年、人気急上昇の「船タコエギ」。今回はこのタコエギを使って船釣り「夏のマダコ」を楽しんできた。釣りの対象として船釣り、堤防釣りともに人気があり、日本人にはなじみの深い食材でもある。
数年前の常磐沖のタコ釣りはタコテンヤという仕掛けにサンマ餌、そしてさおを使わぬ手釣りというスタイルで、11月中旬からシーズンイン。技術的にも少々ハードルの高い釣りという印象があった。
しかしここ数年は夏からが釣期となり、さおとリールを使い、餌木(えぎ)といわれる疑似餌を使ったルアーフィッシングスタイルに変わったことで、エントリーしやすく比較的手軽に楽しめるようになった。
那珂湊漁港に朝4時に集合。とかく釣りの朝は早いが、日中の暑さを考えると合理的だ。その分、沖上がり(釣りの終了時間)も早いので体も楽だ。出港後、約20分でポイントに到着。仕掛けの基本系はタコエギを2個、重りは60~80号を付けたシンプルな物。これを海中に落とし、底で動かしタコを誘う。
誘いの動作は底を重りでこつこつとたたく、小突くイメージ。これに誘われたタコがエギに抱き付くわけだが、軽快に小突いていた手にずしっとした重みが伝わると、タコが抱き付いた合図。
そのまま1、2、3、と小突いた後にしっかりとアワセを入れるのがこつだ。重みがあればタコがかかり、後は一定のスピードで巻き上げる。魚と違い、ぐいぐいと来る引きもなく、ただただ重いだけ…。だが、なぜか癖になる手応えだ。
夏タコはまだ若く育ち盛りだ。サイズは大きくても1キロ前後。この日も100グラムくらいの小さなタコが釣れてきた。資源保護の面で考えても、食べ応えという点で見てもリリースが望ましい。これからもタコ釣りが楽しめる環境を守りたいと、リリースを推奨する釣り船も多い。釣り場環境は自分たちで守らなければと考えさせられる。
マダコは刺し身、天ぷら、酢の物、しゃぶしゃぶ、たこ焼き等々、食べ方はさまざま。今回キープしたタコは「タコ飯」「たこ焼き」にして食べた。常磐沖のマダコは、味も濃くおいしいと評判が高い。しかも自分で釣ったタコなら格別だ。
これから盛期を迎えるタコ釣りにチャレンジしていただきたい。