自然の美で心涼しく 佐野東石美術館 来月まで「山容水態」展 小室翠雲中心に 絵画や木彫63点展示

下野新聞
2022年6月8日

【佐野】本町の佐野東石美術館で、美しい自然の風景をテーマにした企画展「山容水態 自然に触れる」が開かれている。群馬県館林市出身の画家小室翠雲(こむろすいうん)の作品を中心に、計63点の絵画や木彫作品が展示されている。7月11日まで。

山容水態は、自然の美しい風景や山水の景色を意味する四字熟語。企画展の狙いについて、同美術館の青野(あおの)のぞみ学芸員は「自然に触れることで乱れた心を落ち着かせ、これから訪れる夏に向けた清らかで涼しげな時間を過ごしてほしい」と話す。

展示の目玉は、墨だけで描かれた二曲一双の金屏風(びょうぶ)「水墨山水夏冬図」。明治から昭和にかけて北関東では右に出る者がいないとされていた小室が墨の濃淡のみで表現した作品で、夏と冬の対照的な風景から豊かな生命力を感じることができる。

このほか、郷倉千靱(ごうくらせんじん)の「清流」や児玉希望(こだまきぼう)の「清宵」といった絵画や圓鍔勝三(えんつばかつぞう)の木彫作品「道化と小鳥」など、自然を描いた涼しげな作品が館内を彩っている。

青野学芸員は「作品を見て、リフレッシュしたり、前向きな気持ちになってもらえたりしたらうれしい」と話している。

入館料700円(小中高生300円)。水、木曜休館。

(問)同館0283・23・8111。