那須の観光周遊バス復活 7月から、路線も一新
【那須】町は27日の町議会議員全員協議会で、宿泊施設やレジャー施設などを巡る「那須高原観光周遊バス」の運行が、7月1日から始まる予定だと明らかにした。昨年5月に休止した観光周遊バス「きゅーびー号」に代わる観光地の公共交通として、ニーズに合った路線や運行時刻に一新した。関東自動車(宇都宮市簗瀬4丁目)が運行し、町が資金援助する。
町観光協会が運行していた「きゅーびー号」は、新型コロナウイルス禍による観光客の激減で採算が合わなくなり、休止に追い込まれた。観光客や町民からの復活を求める声を受け、町内で路線バスを運行する同社と町が協議を重ねてきた。町は本年度の運営資金として850万円を補助し、半額に国の地方創生推進交付金を充てる。
1台約40人乗りのバス2台が、「道の駅那須高原友愛の森」を出発点として、計5路線を回る。地元の観光事業者らに聞き取りした、観光客の行動傾向を参考にして路線を設定した。
朝と夕方は宿泊施設や遠方のレジャー施設を多く経由し、日中は近隣の観光牧場や博物館などを巡回する。JRの各駅から路線バスで訪れる客がスムーズに乗り換えられるよう、道の駅の発車時刻も調整した。
乗客は1回乗車券(800円)、1日フリーパス(1500円)、関東バス路線共通券(2600円)を現金で購入するか、ICカードで運賃を支払う。
ICカードによる支払いデータを基に、客がよく使う停留所や時間帯を分析し、より便利な路線や運行時刻に改善していく。今後、地元の商工会や観光協会などでつくる協議会で承認を得た後、国土交通省の認可を受けて運行を開始する。