野口雨情の創作秘話紹介 北茨城 生誕140年企画展
茨城県北茨城市出身の童謡詩人、野口雨情(1882~1945年)の生誕140年に合わせ、童謡の創作秘話を紹介する企画展「野口雨情の童謡-資料館収蔵品を中心に-」が、同市磯原町の市歴史民俗資料館で開かれている。「雨降りお月さん」と「十五夜お月さん」の曲名に月が入った二つの童謡について、資料など通じ、雨情の実体験とともにひもといている。7月10日まで。
大正から昭和初期にかけての、写真や雨情直筆の掛け軸、雨情最初の童謡集の原本など含む計15点を展示している。普段は展示していない、若かりし雨情と妻ヒロの新婚写真も並ぶ。
展示では、夫婦2人の関係など雨情の実体験にスポットを当てている。「雨降りお月さん」は、ヒロのこし入れの日に雨が降っており、白無垢(むく)をぬらしながら野口家に嫁いできた情景が込められているといわれている。一方、「十五夜お月さん」は、ヒロとの離婚で父子が母と分かれていく時の心境が反映されたと考えられている。
このほか、なじみ深い「七つの子」など童謡にまつわる展示や、ポーランドの教育学者が書いた海外の雨情の本なども紹介する。
同館の石井恵館長は「歌詞に込められた雨情の思いも一緒に展示している。思いを分かった上で童謡を聴くと、新しい雨情の楽しみ方ができる」と話した。
開館は午前9時~午後4時半(入館同4時まで)。月曜休館。入館料は大人320円、学生100円、市外65歳以上200円。雨情の誕生日の5月29日には、来場者に童謡雑誌「金の船」の表紙を用いたクリアファイルをプレゼントする予定。