RCカー横滑り走行堪能 茨城・鉾田に専用施設 金谷さん夫妻「気軽に見に来て」
ラジオコントロールカー(RCカー)を自在に操り、ドリフト走行を楽しむ「ラジドリ」の専用施設「DRIFT BASE(ドリフト・ベース)」が、茨城県鉾田市舟木に誕生した。ラジドリは速度ではなく、走行の見栄えや精度を競う。近年は専用RCカーが販売されるなど注目を集めており、代表の金谷陽子さん(47)は「ラジドリの面白さを鉾田から発信したい」と意気込んでいる。
ラジドリに特化した施設は、鹿行地域では初めて。陽子さんと夫の幸光さん(51)が自宅を増築して開業した。約160平方メートルの屋内施設には、ラジドリに適したプラスチック系素材のタイルを敷き詰めたメインコース、車体の調整を行えるピット30席、無料体験用のサブコース(カーペット敷)もある。
「畑に囲まれている田舎で、非日常を味わってもらいたい」と陽子さん。施設内は冷暖房完備で、走行の様子を俯瞰(ふかん)できる見学席を設けるなど、利用者が心地良く過ごせる空間づくりを心がける。
金谷さん夫妻がラジドリと出合ったのは5年前。幸光さんが当時小学3年だった息子の幸晟さん(14)と、つくば市のRCカー施設「谷田部アリーナ」(現つくばラジコンパーク)を訪れたのがきっかけだった。
ラジドリの格好良さに興味を持った幸晟さんは同アリーナで操縦の腕を磨くようになり、幸光さんは整備、陽子さんは応援の立場で支えた。幸晟さんは大きな大会で結果を残すようになり、小学6年でRCカーメーカーに所属するプロ選手になった。
ラジドリは男女とも幅広い年齢層で楽しめ、親子で取り組む姿も珍しくない。愛好家同士の交流も盛んで、幸光さんは「互いに教え合いながら、上達していこうという雰囲気がある」と話す。幸晟さんも他の愛好家やトッププロから指導を受け、才能を伸ばしていったという。
幸晟さんがプロになったのを機に、金谷さん夫妻は自宅に練習施設をつくろうと計画。同時に世話になった人たちへ恩返ししたい気持ちも強まり、本格的な施設の開業に至った。
施設は昨年末にオープン。以来、毎日のように県内外から愛好家が愛車を持ち寄り、モーター音を施設内に響かせている。陽子さんは代表として施設を切り盛りし、幸光さんは整備の相談に応じている。
4月には大会を初開催し、動画投稿サイト「ユーチューブ」で配信すると、海外からも反響があった。陽子さんは「大人から子どもまで真剣になって遊べるので、興味がある人は気軽に見に来てほしい」と話している。
営業時間は、平日午前10時から午後10時(土曜日は午後11時まで)。料金は平日1500円(午後6時以降は1000円)、土日祝日2000円。女性と小学生以下は半額。無料体験や初心者の相談にも応じている。問