那須の恵み詰めたプリン  魔法のたまご 菓子工房くるみの森(那須)

下野新聞
2021年12月3日

 たたずむその姿は、まるで卵のよう。一つをひっくり返して銀紙を剥がすと、中には生クリームとプリン。しっかり固まったプリンをすくって食べると、口いっぱいに卵の濃厚な風味が広がる。底にはカラメルがあり味の変化を楽しめる。

 卵の殻を器に使う、その名も「魔法のたまご」。那須エリアのブランド卵や牛乳を使用している。工房の代表児玉早美(こだまはやみ)さん(40)は「那須の恵みが詰まっています」と話す。

 さまざまな地域課題の解決に取り組む那須まちづくり広場(那須町豊原丙)に共感し、2019年春から広場内のカフェで不定期にケーキを提供し始めた児玉さん。今年10月に独立し、広場内に工房を構えた。

 魔法のたまごは、環境に優しい商品を作ろうと考案した。「土に還(かえ)る」よう調理の際に出る卵の殻と包装用の紙パックを使用。殻はオーブンで加熱して殺菌している。器として使えるように割ることが難しいといい、児玉さんは「まだ少ししか作れないが、広場の名物にしたい」と意気込む。

 現在は一人で調理しているが、「子育てなどでフルタイム労働が難しい女性のために、雇用を生み出したい」という思いも抱く。環境に加え、女性にも優しいプリンを目指している。

 ■メモ 単品200円、4個入り800円(要予約)▽那須町豊原丙1340(那須まちづくり広場内)▽同広場内のカフェで金、土曜、数量限定で提供▽予約は写真共有アプリ「インスタグラム」同工房公式アカウントで受け付ける。

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