アユ×竹工芸 魅力度アップ 黒羽観光やな 彫刻家・西村さん公開制作
【大田原】黒羽向町の黒羽観光やなで、元市地域おこし協力隊員の彫刻家西村大喜(にしむらだいき)さん(33)=木佐美=が、竹工芸の公開制作を始めた。同やなは今季、新型コロナウイルスの影響で那珂川にやなを架設できなかった。竹のオブジェ制作の様子を披露することで、来場客に食事の待ち時間などに見て楽しんでもらうとともに、全国屈指の竹の里でもある市の魅力を伝えたい考えだ。
今季休業方針から一転して1日に開業した同やなの客数は例年の7割程度だが、黒羽観光簗漁業組合の松浦節(まつうらみさお)常務理事(79)は「予想より多い。営業を楽しみにしていた人もおり、やってよかった」と手応えを感じている。
ただ、今季はやながないため、上奥沢の広告企画制作会社「プランニングオフィスワン」の坂内昭(さかうちあきら)会長(69)が、以前撮ったやなの様子や昨年の台風19号の被害をまとめた動画を制作して大型モニターとともに同やなに寄贈。来場客に見てもらっている。
一方、市産の竹は上野動物園のパンダに餌として供給されていたことでも知られている。竹工芸作家の一大展覧会「全国竹芸展」も十数年間開催しているが、坂内さんは日頃、制作工程を見たり竹工芸品を購入したりする場がないと感じていたという。
そこで「単にアユを食べるだけでなく、来た人に何か別の楽しみもあればと思い、市が全国屈指の竹の里でもあることに注目した」と公開制作を提案した。
西村さんは8月23日までの土日の午前11時半~午後1時半、公開制作と作品販売を行う。作品は「Soeru」と題した一輪挿しの竹のオブジェで、会場では竹を切ったり削ったりする工程が見学できる。
西村さんは「大田原の竹文化に興味関心を持ってもらい、理解を深めてもらえたら、うれしい。一輪挿しを使って展示する喜びも知ってほしい」と話している。
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