戦争から見る郷土史 茨城県立歴史館で企画展 遺書や武器80点

茨城新聞
2020年7月18日

戦後75年にちなみ、水戸市緑町の茨城県立歴史館で、企画展「戦争と茨城」が開かれている。自衛隊OBらでつくる茨城郷土部隊史料保存会(大高哲男会長)の所蔵史料を中心に文書や遺物、遺書、武器など約80点を展示。西南戦争から第2次世界大戦まで、近代の戦争に関わる茨城の歴史をたどる。9月22日まで。

同会は1970年代初めの発足以来、半世紀にわたり、茨城に関する戦史史料の収集、保存を続けている。収集品は陸上自衛隊勝田駐屯地(ひたちなか市)内の史料館「防衛館」に保管されているが、広くは知られていなかった。歴史館は保存会から依頼を受け、3年前から調査を続けてきた。今回はその成果を披露する。

展示は4章で構成。水戸歩兵第2連隊や、県内の工兵部隊、航空兵などの足跡を、西南戦争から日清、日露戦争、満州事変、第2次世界大戦までたどった。

特に第2次世界大戦末期のペリリュー島玉砕は、水戸歩兵第2連隊の犠牲者が多かったことで知られる。ヘルメットや飯ごう、銃剣などの遺物は当時の生々しさをしのばせる。

特攻隊についても1章を割いて紹介。陸軍の最初の特攻部隊とされ、鉾田陸軍飛行場から飛び立った万朶(ばんだ)隊についても、隊長の遺墨などが展示される。

同館で戦争をテーマにした企画展は初めてという。担当した石井裕・史料学芸部主任研究員は「貴重な資料ばかり。郷土の歴史の一側面を知るきっかけになれば」と話している。

入館料一般350円。高校生以下無料。問い合わせは同館(電)029(225)4425

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