常陸太田「集中曝涼」 19、20日 歴史や文化 身近に

茨城新聞
2019年10月17日

常陸太田市内の貴重な文化財を虫干しを兼ねて一般公開する「集中曝涼(ばくりょう)」が19、20の両日、各施設などで行われる。公開建物の一つ、県立太田一高内の国指定重要文化財・同校資料館(旧太田中講堂)では、初めて同校生徒が案内役を務める。普段目にできない仏像や古文書を見学し、地域の歴史や文化を身近に感じてもらい、地域の宝を守っていく意識の高揚などを狙いに、市内19カ所で公開を予定している。

太田一高の資料館は1904(明治37)年に完工した洋風建築で、同校のシンボル的建造物。76年に国重要文化財に指定され、90年に資料館として整備された。今回の一般公開に伴い、太田城の様相を伝える資料「常州久慈郡太田古城之図」や同校所蔵の美術品なども紹介する。

案内のための研修が15日、同資料館で行われ、希望した2年生6人が参加。細貝雅之教頭が資料館の歴史や設計者、建物の特徴、展示品について説明した。生徒たちは真剣な面持ちで耳を傾け、メモを取っていた。

菊池日向さん(17)は「歴史ある講堂を多くの人に知ってもらいたいと応募した。丁寧に紹介し、コミュニケーション能力を伸ばせれば」と希望したきっかけを話した。

一方、常陸大宮市出身で戦国時代の画僧、雪村周継の業績を顕彰する「雪村顕彰会」(冨山章一会長)では初めてパンフレットを作製し、雪村が修行したと伝わる正宗寺(増井町)で配布する。雪村の描いた掛け軸など30点以上を展示する。

「指定文化財集中曝涼」は、正宗寺で行われていた「曝涼」を2007年度から市内全域に拡大して今日に続く。本年度は新たに星神社古墳(19日のみ、小島町)と梵天山古墳(島町)が加わり、昨年度公開しなかった西光寺(下利員町)が復活した。

公開施設は次の通り。

東金砂神社(天下野町)東染林業センター(東染町)賀美発電所(上深荻町、19日のみ)中染阿弥陀堂(中染町)菊蓮寺(上宮河内町)西光寺(下利員町)旧町屋変電所および町屋発電所跡(西河内下町)正宗寺(増井町)佐竹寺(天神林町)久昌寺(新宿町)太田一高(栄町)青蓮寺(東連地町)来迎院(大里町)香仙寺(松栄町、19日のみ)中野冨士山古墳(中野町、19日のみ)星神社古墳(小島町、19日のみ)梵天山古墳(島町)枕石寺(上河合町、19日のみ)

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