県陶芸美術館企画展 生き物フィギュア集結

茨城新聞
2019年9月7日

動物や昆虫、恐竜などをモチーフにした陶芸作品を集めた企画展「いきもの狂騒曲-陶芸フィギュアの現在-」が7日から、笠間市笠間の県陶芸美術館で始まる。金工や革など一部他分野も含め計21作家の約160点を紹介する。開幕前の6日には同館でセレモニーが開かれ、金子賢治館長が見どころをアピール、来場を呼び掛けた。会期は11月24日まで。

生き物をかたどった陶造形は太古から存在してきたが、2000年ごろから、リアルさと作家の感性が融合した個性的な作品が多彩に生み出されるようになり、活況を呈している。

今回は、それらの作品を「フィギュア」としてくくり紹介している。

ゾウムシやカブトムシ、タラバガニなどを実物のように表現したものや、斬新な装飾を施した犬、柔らかな感性で造形されたクマ、ペンギンのキャラクターを利用して人間の文明の滑稽さを寓意(ぐうい)的に表現した作品などが並ぶ。

セレモニー後の内覧で、重さが130キロ超もあるイノシシをモチーフにした「山祇(やまつみ)」という大きな作品を出品した宮本果林さんは、「単なる動物ではなく、山の神という意味合いを(作品に)込めた」と造形の意図を語った。

セレモニーでは、金子館長をはじめ、笠間市の山口伸樹市長ら来賓がテープカット。

金子館長は「リアルさを追求し突き抜けたところに制作者の心象が表れている。そんなところを見てほしい」と語った。

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