病治す炎、地蔵包む 古河

茨城新聞
2019年8月24日

初代の地蔵建立から300年目を迎えた奇祭「高野ろうそく地蔵尊祭」が23日、古河市高野の高野地蔵尊であり、訪れた参拝者が火だるまと化した地蔵に手を合わせて、病気やけがの治癒と健康を願った。

毎年8月23、24の両日に開催。身体の悪い所と同じ地蔵の部位にろうそくを立て、火をともして拝むと治るとされている。熱で流れ出したろうに火が移ると、やがて地蔵は全身をくるむように炎に包まれる。

焼け崩れた初代は1719(享保4)年の建立で、現在は1936(昭和11)年建立の2代目。例年、2日間でろうそく約3千本の火と熱を一身に受ける。この日も参拝客が「全身」「頭」などと世話役に頼んでは、夕闇と炎に包まれた地蔵を熱心に拝んでいた。

毎年来ているという同市葛生、阿久津真愛さん(28)は「子どもの成長や健康をお願いした。300年先まで続いてほしい」と話し、高野行政区長の西沢市郎さん(66)は「地区を守ってきたろうそく地蔵を伝えていきたい」と話していた。

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