剣豪慰霊へ演武奉納 水戸の中根寺

茨城新聞
2015年11月17日

水戸藩の剣豪、和田平助(1625~83年)を慰霊しようと、関口流抜刀術師範の祖父江光紀さん(49)一門が16日、平助ゆかりの水戸市加倉井町の中根寺(高岡教真住職)で、古武道による演武を奉納した。寺の檀家(だんか)ら約30人が見守る中、平助への思いを込めた技が披露された。
 同寺などによると、新田宮流を起こした平助は、剣の腕を「変化神の如し」と評されるなど優れた剣豪として名声を得た。だが晩年、藩士の相続問題に加担したことで藩から追放処分を受け、立ち寄った中根寺の阿弥陀堂(あみだどう)で切腹。寺には平助が大切に持ち歩いていた仏像が祭られている。
 新田宮流と関口流の系図をたどると同じ武術家につながる点を踏まえ、祖父江さんと高岡住職らが今回の演武を決めた。祖先を供養する寺の「回向祭」に合わせて演武が執り行われた。
 祖父江さんは座った状態から刀剣を抜き放つ居合を披露。さらに竹などで試し切りを行い、観衆から拍手を受けた。祖父江さんは「平助への思いを込めて一振りした」と語り、高岡住職は「平助も温かく見守ってくれたことだろう」と目を細めた。

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