つくば・上境作ノ内遺跡 6、7世紀の古墳4基

茨城新聞
2018年11月29日

つくば市上境地区の上境作ノ内(かみざかいさくのうち)遺跡で、古墳時代後期(6世紀後半~7世紀前半)の古墳4基が見つかり、28日、県教育財団が発表した。前方後円墳と方墳で、一部は石棺が完全な形で残されており、鉄製の小刀や矢尻の副葬品も出土した。同遺跡では今回を含め計10基の古墳が確認され、古墳の形の移り変わりも分かる。

遺跡は同市北東部の中根・金田台地区に位置する遺跡群の一部。古墳は縦約60メートル、横約100メートルの遺跡内に、全長15~20メートルの前方後円墳3基と、11メートル四方の方墳1基が東西に並ぶ。

前方後円墳は、全長20メートルの古墳が二つあり、うち一つからは馬型や人型、円筒型などの埴輪(はにわ)のかけらが、もう一つからは装飾品のガラス玉がそれぞれ出土した。全長15メートルの古墳では、埋葬された人が納められた石棺が見つかった。長さ1・7メートル、幅0・5メートル、深さ0・4メートルの箱式石棺で、筑波山周辺で取れる雲母片岩の石板10枚で囲われている。さらに発見時は上部が5枚の石板で覆われていた。

方墳は、古墳時代最後期(7世紀前半)の形で、横穴石棺が確認された。この後、豪族は神社仏閣の墓に移行していくという。

4基のうち2基は戦中戦後ごろに盗掘に遭い、石棺の石材や副葬品が持ち去られたとみられる。同財団の駒沢悦郎首席調査員は「盗掘が多い中、石棺が完全な形で残されているのは貴重。4基の古墳には階級の違いも見られる」と評価した。現地説明会は12月2日午前10時半~正午。

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