《山の日2017》どっしり 県民見守る 谷川岳
見渡せばいつも変わらずそこにある。あふれる喜び、どうしようもない悲しみ、怒り…。日々の暮らしにあって感情を揺さぶられ、右往左往しても、全てを達観したようにどっしり構え、見守っている。
日頃、無条件で安らぎを与えてくれる山も、時に自然の厳しさを見せつける。どちらも本当の姿であり、親しみ、感謝しながら、畏怖の念を抱かずにいられない。
夏。青色に染まった山が街を包み込む。喧騒(けんそう)から逃れ、穏やかに流れる時間をかみしめながら、山頂を目指す。歩みは遅くても、一歩ずつ積み重ねれば必ずたどり着く。焦らずに行こう。絶景までもう少しだ。
8月11日は「山の日」。本県は、谷川岳をはじめとする日本百名山が11座あるなど名峰が多い。県内の山を歩き、さまざまな表情をカメラでとらえ、シャッターを切った。
谷川岳
本県のみなかみ町と新潟県境にそびえる谷川岳(1977メートル)は標高こそ2千メートルに満たないが、特に目まぐるしく変わる厳しい冬の天候や山容の険しさから、国内ばかりでなく、海外のアルピニストたちからも注目される。昨年は5万6千人余りが入山した。
夏場の今は、ロープウエーを利用して天神尾根から山頂を目指すルートが、初心者や家族連れでにぎわう。天神平スキー場へと続く稜線(りょうせん)が一望できる「天狗の溜(た)まり場」=写真=では、爽やかな風を受け、登山者たちが弁当を食べたり、写真を撮ったりしていた。
(10日午前11時20分ごろ、石田貞之撮影)
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