《ひと》温かな草木染 体験を 桐生
◎染流しで指導役 田島勝博さん(74) 桐生市東
桐生市本町に立つ大正時代建築の蔵に天然染色(そめいろ)研究所を開き、草木染や手機を生徒に教えている。100人が一斉に染色を体験し、街に飾るイベント「桐生新町染流(そめなが)し」では指導役を務めており、「八木節とは違った桐生の夏の風物詩を多くの人に体験してほしい」と語る。
現役時代は兄と染色会社を経営していた。化学染料で糸を染める仕事だったが「草木染の方が優しく、温かい色が出る。自然に色をいただいている感覚」と魅力を感じ、趣味として没頭した。60歳で仕事を離れたのを機に研究所を開き、染色と織物の魅力を広く人々に伝え始めた。
この染色技術を生かそうと、地元町会や商店組合は毎年の桐生八木節まつりに合わせて「染流し」を開き、5日の開催で14回目となる。市民ら100人が絹のスカーフ生地を染料に浸し、きれいに染まった作品を歩行者天国となった道路に並べて干し、街を彩る。「染色と織物が盛んな桐生にしかできない、全国に誇れる行事」と自負する。
今年は参加申し込みが伸び悩み、胸を痛めるが「伝統の灯を消してはならない」と次世代に引き継ぎたい考えだ。
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桐生新町染流しは5日午後3時から、本町1丁目の本町通りで行う。1500円。申し込みは松井浩一さん(0277・22・2543)へ。
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