《食いこ》蔵日和(茨城・つくば市)

■和の庭楽しむベーカリー
茨城県つくば市のつくばエクスプレス(TX)つくば駅から車で10分ほどの住宅地。朱色の柱の門をくぐると、モミジやアカマツ、ツツジなど、緑と赤のコントラストが美しい和の庭園が広がる。突き当たりにはかやぶき屋根の古民家が構え、手前に視線を移すと、米蔵を改装したベーカリーカフェ「蔵日和」がある。
建物は明治初期に建てられた国登録有形文化財の沼尻家住宅米蔵。カフェを経営する「アガーノ」の広田栄治代表(59)が和の雰囲気にほれ込み、約20年前に約1500坪の敷地ごと借り上げた。コンセプトは「宿泊のないホテル」。蔵日和を玄関口として、古民家をイタリアンレストラン、納屋をわらび餅専門店に改装し、敷地全体で非日常的な空間を演出する。

2階のカフェは屋根裏の雰囲気が味わえる=つくば市金田
1階のベーカリーは和の庭園を楽しめるようにテラス席を設けた。2階は米蔵の屋根裏を生かした隠れ家的カフェになっている。
パンは常に50種類前後を用意しており、季節の野菜や果物などを使ったものも3~5種類作っている。
1番人気はつくば市内のパンコンテストで優勝したことがある「メープルメロンパン」。メープルを練り込んだビスケット生地に、カリッとしたメープルシュガーをのせ、中にはとろりとした口当たりのメープルジャムを入れた。

5月限定の「大人のコーヒージェリーパフェ」=つくば市金田
店を切り盛りする篠原ゆかりさん(38)は「見た目にインパクトがあって、幅広い世代が楽しめるパンを考えた」と話す。
ごまを練り込んだフランスパンに、ごぼうサラダとチーズをのせて焼き上げた「ごぼうチーズフランス」や、米・こうじ・小麦が原料の酵母を使ったふわふわ食感の「天然酵母シリーズ」も定番。
ロールケーキやプリンなどスイーツも販売している。月替わりのパフェを食べるのが「生きがい」と語る常連客もいるという。5月限定は「大人のコーヒージェリーパフェ」。甘さ控えめのゼリーをはじめ、ローストしたナッツやホイップクリーム、スポンジなどを8層重ね、バニラアイスをトッピング。ひきたてのコーヒー豆をかけて、香ばしく仕上げた。
篠原さんは「来るたびに(庭の)雰囲気やメニューが変わる。季節を楽しんでほしい」とほほ笑む。
■お出かけ情報
▽茨城県つくば市金田38の1
▽営業時間は午前10時~午後5時(ランチ午前11時~午後2時半)。電話での予約推奨。
▽定休日は原則月、火曜
▽(電)029(857)4118
▽インスタグラムのアカウントはkurabiyori