《食いこ》kasamarron cafe(茨城・笠間市) 特産の栗尽くしスイーツ

茨城新聞
2025年2月1日

廃校となった茨城県笠間市福田の旧市立東中の校舎を活用したカフェ「kasamarron cafe(カサマロンカフェ)」が、特産品の栗をぜいたくに使った「モンブラン」を提供している。運営事業者が自社の畑で栽培した栗を使い、カフェは2022年12月にオープンした。店長の海老沢祥さん(36)は「栽培から加工、販売まで手がけ、鮮度管理もできるのが売り。質のいいモンブランを食べてもらいたい」と話している。

メニューは、栗尽くしのスイーツが並ぶ。一番人気は数量限定の「熟成プレミアムモンブラン」。メレンゲやスポンジ、生クリームなどの上に、らせん状に包む太さ2ミリの栗ペーストが山盛り。栗の甘露煮が一粒まるごと入り、食べ応え十分。栗ペーストは、収穫後の栗を一定期間、冷蔵熟成させ栗の濃厚な甘みを引き出している。

看板商品のモンブランを手に笑顔を見せる「カサマロンカフェ」のスタッフ=笠間市福田

「和栗モンブラン」は、丸形カップにスポンジなどを詰め、生クリームに挟んだラズベリーソースがアクセントに。太さ1ミリの栗ペーストに包まれる。他に、栗の渋皮煮がサイコロ状にゴロゴロ入った「栗農家のバスクチーズケーキ」や、タルト生地の上に一粒の渋皮煮をのせた「和栗のタルト」「モンブランフラッペ」「マロンラテ」も自慢の一品だ。

店内は職員室や放送室などを改装した。壁や天井は白を基調とし清潔感があり、テーブルは生徒が授業で使う机に似たものを取り入れた。客層は家族連れや女性が中心で、県外からも多く訪れるという。海老沢さんは「『おいしかった』との声が一番うれしい」と笑顔を見せる。

廃校を活用した店舗

カフェの運営は、農業や障害福祉サービス事業などを手がける「アドバンフォースグループ」会社で、校舎に拠点を置く「アドバンフォース」が担う。笠間と水戸市内に約12ヘクタールの栗畑を持ち、栽培から加工、販売までを行う。農家の担い手不足解消や障害者の就労支援を目指す「農福連携」を実践している。

同社の執行役員も務める海老沢さんは、3年目を迎えたカフェに「行政や地域の方のバックアップがあり助けられた」と感謝。今後は「モンブランだけでなく、地元の他の食材を生かしての商品開発をしたい」と抱負を語った。

■お出かけ情報
kasamarron cafe
▽茨城県笠間市福田906の6
▽営業時間は午前10時~午後4時
▽定休日は月曜(祝日の場合は翌火曜)
▽(電)0296(71)5567
▽インスタグラムのアカウントはkasamarron_cafe