茨城・常陸牛 新ブランド「煌(きらめき)」 最高級の肉質厳選
茨城県と同県常陸牛振興協会は、茨城県銘柄牛「常陸牛」の新ブランド「煌(きらめき)」を発表した。脂の質を示す「小ザシ指数」のブランド基準を全国で初めて設定。認定される割合は常陸牛のわずか3~5%で、年間250頭程度に限られる。厳選された和牛のトップブランドとして、高級飲食店や百貨店などで販売する。
煌の認定基準は「茨城生まれ茨城育ち」「月齢30カ月以上」「最高ランクのA等級のみ」「オレイン酸55%以上」「小ザシ指数110以上」の5項目。全てをクリアできる常陸牛は3~5%で、年間250頭程度という。
新ブランドは「ダイヤのように希少で高貴。和牛界でさんぜんときらめく」として命名された。
和牛は全国的に肥育技術の向上と改良が進み、差別化が難しくなっており、県などは脂肪の質を重視。風味や口溶けを左右するオレイン酸、霜降りのきめ細かさを示す小ザシを専用の測定器で数値化するなど「おいしさ」にこだわった。小ザシ指数をブランド牛の認定基準に採用するのは全国で初めて。
県畜産課の担当者は「おいしさに着目した全国初の基準。エビデンス(根拠)に基づいて評価する」と説明する。
東京都内で8月29日、お披露目イベントが開かれ、大井川和彦知事は新ブランド名を発表し、「和牛の競争は激化している。産地間競争に勝って常陸牛の評価を高めたい」と話した。俳優の筧美和子さん、お笑いタレントの小島よしおさんが試食やトークで盛り上げた。
会場では常陸牛の生産者や飲食店の代表も出席。橋本畜産(茨城町)の橋本武二社長は「グレードの高い肉を作り、全体のレベルを上げていきたい」と意気込みを示した。
常陸牛の販売頭数は、2020年に初めて1万頭を突破。以降3年連続で1万頭台を維持する。海外でも取扱店を拡大し、7カ国に輸出している。
県は新ブランドの検討委員会を5月に設け、生産者や流通業者、シェフらと基準、販売戦略について議論してきた。