牧野富太郎の業績紹介 茨城・つくばで企画展 植物標本、パネルも
「日本の植物分類学の父」とされる植物学者、牧野富太郎(1862~1957年)の業績を紹介するミニ企画展「「牧野富太郎と植物を観る眼」がつくば市天久保の国立科学博物館筑波実験植物園教育棟で開かれ、市民の静かな話題を集めている。牧野が採取し分類した植物の標本、ゆかりの植物などが分かりやすく展示、紹介されている。同展は6月4日まで開かれている。
牧野は1500種類以上の植物を命名したことで知られ、日本各地を旅して回り、生涯で採集し作成した標本は約40万枚にも上るという。現在放送中のNHK連続テレビ小説「らんまん」の主人公のモデルにもなった。
会場ではパネル25枚と、標本や図鑑などの資料15点を展示。1894年に同市の筑波山で採集したアズマササやキクザキイチゲ、アズマスゲの標本3点のほか、牧野が描いた精密な植物図の複製パネルが並ぶ。植物図は、細胞の構造や植物の毛状突起の一本一本まで描かれており、分類に役立てられたという。
企画を担当した、同館植物研究部多様性解析・保全グループの堤千絵研究員は「シロウマナズナやホシザキユキノシタなど、同園の研究員がお薦めする、牧野ゆかりの植物もパネルで紹介しているので見てもらいたい」と話している。
同園で公開中の「クレマチス園」では、牧野が自身の出身地である高知県の鳥形山で発見した「トリガタハンショウズル」など、命名したクレマチス3種類も観賞できる。
同展は午前9時から午後5時。月曜休園。