一橋徳川家の名品一堂に 水戸 重文書簡や甲冑、刀も 4月2日まで
茨城新聞
2023年3月21日
一橋徳川家の名品を基に、幕末から明治に至る激動の時代を振り返る特別展「一橋徳川家の幕末維新」が、水戸市緑町の茨城県立歴史館で開かれている。国の重要文化財に指定された書簡や甲冑(かっちゅう)、刀などが展示され、同家が果たした歴史的な役割に光を当てる。
展示は、徳川慶喜と茂栄(もちはる)、2人の当主に関わる歴史資料を中心とした35点。朝廷の下に国家権力を一本化することを求めた「大政奉還上申書」は、日本を近代化に導いた慶喜の人物像に迫る。
このほか、慶喜の義母、徳信院所蔵のひな壇用の道具類や斉昭が身に着けた陣羽織、茂栄のよろいかぶとや脇差しなど、書簡以外の品々も並ぶ。大半は同館の所蔵品。靖国神社遊就館所蔵の陣羽織は、同館で初公開となる。
会期は4月2日まで。同館首席研究員の由波俊幸さんは「展示資料から、時代と格闘した慶喜の姿が見える。フィクションではない本当の歴史に興味を感じるきっかけになるとうれしい」と話している。
午前9時半~午後5時。月曜休館。今月28日は臨時休館。