「鹿島と香取」両神宮の魅力迫る 水戸で特別展 宝物156点

茨城新聞
2023年2月22日

鹿島神宮(茨城県鹿嶋市)と香取神宮(千葉県香取市)の両地域にまたがる歴史的魅力に迫る特別展「鹿島と香取」が、水戸市緑町の茨城県立歴史館で開かれている。利根川を挟んで立地する両神宮に伝わる宝物156点が一堂に展示され、古代から現代に至る文化などを伝えている。展示前半の1期は3月21日まで。後半の2期は4月8日~5月7日まで。

見どころは、両神宮の共通点。伝来する貴重な宝物から、両神宮の類似性を見ることができる。

両神宮はともに武神的性格を有する神を祭り、同じような信仰を集めた。伝来物にも似ている物があり、陶製の狛犬(こまいぬ)や、水の増減で稲の豊凶を占ったとされる白磁や青磁の壺「寄部(よるべ)の水入(みずいれ)」などがそれぞれに伝わっている。会場ではそれらが並べられ、見比べられるよう展示されている。

展示品の目玉は、国宝の「直刀」(鹿島神宮)。長さ2・5メートルを超え、古代の切刃造(きりはづくり)の直刀としては日本最大とされる。直刀の一般公開は2020年以来で約3年ぶり。同じく国宝の「海獣葡萄鏡(かいじゅうぶどうきょう)」(香取神宮)は複製が展示される。そのほか、国指定重要文化財が7点公開される。

同館の担当学芸員、蔀政人さん(29)は「鹿島と香取に、どういった文化が展開していたかを知ってもらえれば」と話す。後半の第2期では、展示品の3分の2を入れ替える。

同館主催。鹿嶋市教委、茨城新聞社など後援。午前9時半~午後5時。月曜休館。入場料一般610円、大学生320円、満70歳以上300円。小中高生と未就学児は無料。