大谷石の新スポットあすオープン 道の駅うつのみやに「無事カエル館」
【宇都宮】道の駅うつのみやろまんちっく村(新里町)に、地域資源である大谷石を生かした新スポットとして大谷石ギャラリー「無事カエル館」が4日、オープンする。大型の「無事カエル像」も三つ制作し、総合案内所前などに設置。家路に就く観光客の安全を願うとともに、大谷石加工の匠(たくみ)の技を伝えたいという。
同施設の指定管理者ファーマーズ・フォレストが、本県ならではのおもてなしを創出するための県の補助金を活用し、地元の工芸士と連携して整備した。
大谷石細工のカエルは、高度成長期のマイカーブーム時代に事故を起こさず「無事帰る」の語呂合わせで縁起物として広まった。
ギャラリーは多目的ホール「ローズハット」内の旧熱帯温室を改装。アパートで暮らすカエルや教室で授業を受けるカエルなど、若手職人が手がけたユーモラスな彫刻が展示され、大谷石のテーブルや椅子で休憩しながら楽しめる。
大型の無事カエル像は1体が約1トン。大谷石彫刻家渡辺哲夫(わたなべてつお)さん(67)が制作した。渡辺さんは「蔵や塀だけではない、ワンランク上の表現ができる大谷石の魅力を知ってほしい」と期待する。
同社は大谷石加工の見学や体験ができるスペースの整備も検討している。また施設内の飲食店では4月以降、大谷石の粉じんをうわぐすりに利用した陶器でメニューを提供する予定。
同社企画・営業開発プロジェクト推進室の中山高行(なかやまたかゆき)課長代理(39)は「大谷石の加工技術を伝承し発信する場にしたい。そしてより多くの方に、無事に帰りまた来ていただきたい」と話している。
入館無料。午前9時~午後5時。第2火曜定休。(問)同施設028・665・8800。