台湾と自転車交流、加速 りんりんロードの観光誘客へ協定 茨城県
茨城県と台湾のサイクリングを通じた交流が加速する。自転車道「つくば霞ケ浦りんりんロード」と台湾で人気の「旧草嶺環状線自転車道」の振興団体が観光友好協定を結ぶ。双方の自転車道をPRし、サイクリストを招待し合うなど観光客の拡大につなげる。りんりんロードによる協定は初めて。大井川和彦知事が茨城県産品のトップセールスで訪台するのに合わせ、7日に締結式を行う。
台湾は世界最大級の自転車メーカーがあるなど「サイクリング大国」。2021年には観光業と自転車産業の発展につなげようと、台湾観光局が「多元的な16線」を設定するなどサイクリング熱が高まる。
旧草嶺環状線自転車道は全長約20キロのコース。台北市から車で約90分の東北部に位置し、風光明媚(めいび)な山海の景観が人気を集める「東北角路線」の中核を成す。自然の豊かさに加え、日本統治時代に造られた旧草嶺トンネルなどの歴史ある風景が見どころ。年間利用者は80万人に上る。
つくば霞ケ浦りんりんロードは19年、日本を代表する自転車道「ナショナルサイクルルート」の第1弾として、瀬戸内海の島々を巡る「しまなみ海道サイクリングロード」、琵琶湖を一周する「ビワイチ」とともに選定された。旧筑波鉄道跡に整備された自転車道と霞ケ浦湖岸の道路を一体化させた総延長約180キロのコース。
両自転車道について、県スポーツ推進課は「親和性がある」と説明する。ともに鉄道の廃線跡を活用し、山と水の風景の美しさが共通。首都からの所要時間もほぼ同じで、どちらも海外からの観光客にとって利便性の高さが長所とされている。
県は5日以降、過去最大規模の海外プロモーション「いばらき大見本市」「いばらき大商談会」を台湾・台北市で開催する。大井川知事が現地でトップセールスを行う。
訪台に伴い、サイクルツーリズムを振興するつくば霞ケ浦りんりんロード利活用推進協議会(会長・大井川知事)は7日、旧草嶺環状線自転車道の観光振興に取り組む団体、大東北角観光圏と現地で観光友好交流協定の締結式を行う。
協定締結に合わせ、大井川知事は現地を自転車で走る「記念ライド」を実施する予定。