地元産果物フリーズドライ商品開発 茨城・阿見のイタリア料理人、古谷さん
■不思議な感覚味わって
果物の甘みと独特の食感を楽しめる「フリーズドライフルーツ」の地元産品を生み出そうと、茨城県阿見町小池のイタリア料理人、古谷誠さん(49)が商品開発に取り組んでいる。果物を詰め合わせた「6種類ミックス」や旬を味わえる「季節のセット」、果物ごとの袋詰めなどを販売し、好評を得ている。
古谷さんは調理専門学校を卒業後、つくば市内のイタリア料理店で腕を振るった。その後は結婚式場の調理場で働いたが、新型コロナウイルスの影響を受け、独立を決断。家族で支え合いながら、食品開発に乗り出した。
2021年に設立した「あみドライフーズ研究所」(同町中央)を拠点に、町産のイチゴをはじめ旬を迎えた四季折々の地域の果物をふんだんに使い、通年販売できる「オンリーワン」の商品作りを目指して、試行錯誤を続けている。
学校では製菓技術を学んだ。果物を素材にしたドライ食品は広く店頭に並ぶが、特にフリーズドライに着目した。零下30度以下で冷凍した食材を、真空状態に近づけた乾燥庫内に置き、水分を蒸発させる。天日干しや温風乾燥により、食材をしっとり仕上げるドライ技術とは食感が異なる。
果物だけでなく、ショートケーキやムースなどの洋菓子をフリーズドライし、一回り小さな全く別の商品に「変身」させることもできる。乾燥後の食材には繊維などの「骨組み」が残り、フリーズドライならではの小気味良い食感が生まれる。
素材はイチゴのほか、イチジクやリンゴ、洋ナシ、モモ、キンカン、ミカンなど。価格はイチゴ1袋(5グラム)350円などで、研究所やネットで直接販売している。つくば市や笠間市などで開かれるイベントに積極的に出店し、家族の手助けを得ながら自慢の商品を並べている。
古谷さんは「一番の売りはサクサクとした食感とみずみずしさの違和感。経験したことのない不思議な感覚を、ぜひ多くの人に味わってほしい」と魅力をアピールした。
問い合わせは同研究所(電)029(898)9466。