巨匠の25作品一堂に 那波多目功一の大作「夕照」目玉 水戸・常陽史料館で企画展 茨城ゆかりの作家多く

茨城新聞
2020年8月4日

日本芸術院の会員に名を連ねる巨匠の作品を集めた企画展「日本芸術院会員作品展」が、水戸市備前町の常陽史料館で開かれている。日本画や洋画、彫刻、陶工芸など計25点を展示。茨城県ゆかりの作家も多く、板谷波山から能島征二まで多種多様な作品を楽しめる内容になっている。入場無料。9月13日まで。

日本芸術院は、優れた功績のある芸術家を顕彰するために置かれた国の栄誉機関。1919(大正8)年創設の「帝国美術院」を母体とし、37(昭和12)年「帝国芸術院」に改組して分野が拡充され、戦後「日本芸術院」と改称された。

同院の会員は120人。芸術上の功績顕著な芸術家が、会員で構成される部会の推薦と総会の承認で選ばれ、文部科学大臣から任命される。今回は帝国芸術院時代を含む会員の作品を展示。会場には絵画、彫刻、工芸、書の作品が並ぶ。

目玉はひたちなか市出身の日本画家、那波多目功一の「夕照」で、縦186・5センチ×横219センチの大作。そのほか、茨城県ゆかりの作家として山本文彦、鶴岡義雄、小堀進、服部正一郎らの作品がある。

同館は「これだけレベルの高い作家の作品をまとめて見る機会はめったにない。茨城ゆかりの作家も多い」と見どころを解説している。

午前10時~午後5時45分まで。月曜休館(8月9~11日も休館)。新型コロナウイルス感染予防対策として出入り口にアルコール消毒液を用意し、入場者にはマスク着用やソーシャルディスタンス(社会的距離)の確保を呼び掛ける。混雑した場合は、入場制限も実施する。問い合わせは同館(電)029(228)1781

展示作家は次の通り。(敬称略)

▽日本画 浦田正夫、加倉井和夫、川端龍子、佐藤太清、那波多目功一▽油彩画 有島生馬、清原啓一、田崎廣助、鶴岡義雄、楢原健三、服部正一郎、藤本東一良、村田省蔵、森田茂、安井曾太郎、山本文彦▽水彩画 小堀進▽彫刻 川崎普照、小森邦夫、能島征二▽陶工芸 板谷波山▽金工 帖佐美行▽ガラス 藤田喬平▽漆芸 三谷吾一▽書 小林斗☆(今の下に酒のツクリ、下に皿)

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