《戦後75年》過酷なシベリア抑留知って 阿見で交流展 絵画や防寒外套展示

茨城新聞
2020年7月29日

旧ソ連によるシベリア抑留の体験を伝える交流企画展「7つのテーマで知るシベリア抑留」が、阿見町廻戸の予科練平和記念館で開かれている。平和祈念展示資料館(東京)が所蔵するシベリア抑留の日々を描いた絵画や、使われた防寒外套(がいとう)など関係資料計36点を展示し、過酷な抑留生活について知ってもらう狙い。両館が所蔵資料を交換して展示する交流展の一環。10月4日まで。

両館によると、第2次世界大戦後の旧ソ連によるシベリア抑留では、約57万5千人が強制労働を課せられた。約5万5千人が飢えや寒さなどで死亡したとされる。

今回の展示では、(1)戦闘(2)連行(3)酷寒(4)重労働(5)飢餓(6)埋葬(7)帰国-の七つのテーマごとに資料を分けて、当時の抑留生活者の苦労を伝える。資料は平和祈念展示資料館の所蔵品で、多くが抑留者やその家族から寄贈された。

このうち「袖なしの防寒外套」は、持ち主が空腹に耐えかね、旧ソ連人の労働者が持っていた黒パンと袖の部分を交換したため、両袖がなくなっている。同館の高倉大輔学芸員は「戦争が終わった後も苦しくつらい体験をした方たちがいたことを知ってほしい」と話した。

同館との交流展は2013年以来2度目。戦後75年を迎え、戦争体験を後世に語り継ごうと、交流展が実現した。東京都新宿区の同館では、「海軍飛行予科練習生を志した昭和の少年たち」をテーマに8月10日まで展示を行っている。

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