アートディレクター・副田さん作品展 富岡

上毛新聞
2019年11月28日

 アートディレクター、副田高行さん(69)=東京都=が制作に携わった新聞広告を紹介する企画展「時代の空気。副田高行がつくった新聞広告100選。」が23日、群馬県富岡市立美術博物館・福沢一郎記念美術館で始まった。副田さんが30歳から約40年間で手掛けた100点を厳選して紹介。世相を反映した広告から、それぞれの時代を感じ取れる展示内容だ。

 副田さんは大手の酒造会社や自動車メーカー、電機メーカー、航空会社などの依頼を受け、幅広い関心を集めた新聞広告を多数作ってきた。「広告の原点は新聞。今も使える媒体だと知ってほしい」と話す。
 企画展は「サントリービール ナマ樽」(1980年)のモノクロ作品を皮切りに年代順に展示した。ブラウン管から液晶に移行したシャープの液晶テレビアクオスの広告(2001年)、「ニューヨークへ、行こう。」のコピーで米同時多発テロ後のニューヨークにエールを送ったANAの広告(02年)など、時代を映したさまざまな企業広告が並ぶ。

 吉岡町から訪れた田中勤さん(53)は「昔の広告は懐かしい。徐々に色が付き始めて写真のインパクトが強まったように感じる」と話し、作品をじっくり眺めていた。

 同日開かれた開会式で、副田さんは「広告も結構面白いな、世の中の表現には面白いものがあるんだなと思うきっかけになればうれしい」とあいさつした。企画展の関連事業として同館が募集した「美術博物館魅力発信ポスターコンテスト」で入賞した児童生徒の表彰式も行われ、大賞の副田高行賞に選ばれた今村景都さん(富岡一ノ宮小3年)に、賞状やメダルを贈った。

 会期は来年1月26日までで、午前9時半~午後5時。月曜休館。一般400円、大学・高校生200円、中学生以下無料。問い合わせは同館(☎0274-62-6200)へ。