《食いこ》つくば石焼芋(つくば市) じっくり加熱 濃厚な甘さ

茨城新聞
2019年11月17日

江戸時代に「栗より(九里四里)うまい十三里」、栗の味に似ていることから「八里半」としゃれを効かせて売られていたという焼き芋。寒さが厳しくなるにつれ、恋しさが募る。そんな季節がやって来た。

つくば市の「つくば石焼芋」もにぎわいを見せる。店主の松本義男さん(73)は朝8時、火をおこし石を温めることから始める。手作りならではの工夫が凝らされたまきの石焼き芋釜で、2~3時間かけてサツマ芋を焼き上げる。

じっくり焼き上げた芋は、皮に蜜がしみ出していた。熱々の1本を割ってみると、艶のある黄金色。その甘さは濃厚でしっとり。芋の甘さが十分に引き出されている。

サツマ芋は、かすみがうら市の芋卸問屋から仕入れる。品種は「紅はるか」で「柔らかく甘くねっとり、三拍子そろっている」。大きさはL、2Lが中心。多いときには、1日で約100キロを焼くこともあるという。通年で営業しており、冷凍焼き芋も人気だ。

焼いている間はひたすら待つだけと思いきや、満遍なく焼くため途中で芋を返す。松本さんは焼き具合や火の状況を見ながら、芋を返したり、芋の場所を入れ替えたり、まきを追加したりと自在に動く。焼く温度は70~80度に保つ。まきの火力を見極めて調整するという。そのタイミングは「勘だよ」と一言。20年近く培ってきた経験のたまもの。

手で、焼け具合を確かめ、熱々の芋を取り出す。そのため手袋は欠かせない。「軍手、革、薄い生地といろいろ試してみた。革はつかみづらくて、薄い手袋は芋のやにが付いてしまって」と探した末、今は野菜や果物の収穫・選別用の手袋を愛用する。

松本さんの前職は重機オペレーター。50代で店を開き、店舗は自ら建てた。店の回りに立つ焼き芋ののぼりが目印だ。もう一つ目に付くのは、店の外に山と積まれた木材。「野外で1年、まき小屋で半年。十分乾燥させてまきにする」。まき作りも体力のいる重要な仕事だ。

■お出かけ情報
つくば石焼芋
▼つくば市倉掛889の1
▼営業時間は芋が焼き上がる午前11時ごろ~午後7時
▼11月~3月は無休(正月三が日を除く)、4月~10月は水曜定休
▼(電)090(7941)8425

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