玄室全体に赤彩 車塚古墳、壬生町教委が中間発表

下野新聞
2015年10月24日

 【壬生】壬生甲の国指定史跡「車塚古墳」で、石室部分の調査を進めている町教委は23日、玄室(げんしつ)(墓室)、前室とも内面は赤彩が施され「神々しいものであったと考えられる」と中間調査結果を発表した。31日に現地説明会を行う。発掘調査は2014年に開始し、21年まで実施する計画だ。

 車塚古墳は長径84メートルで、三段築成の国内最大級の円墳。詳細は未解明の部分が多く、本格的な調査は初めて。

 2回目となる今回は8月20日から16年3月20日までの予定で調査が行われている。石室床面の確認調査、石室前面の「前庭」と称される祭り場の確認作業、石室に通じる墓道部の確認作業を行い、以後は町教委が調査を継続している。

 これまで玄室(墓室)の奥壁だけが、ベンガラ(酸化第二鉄)で赤に塗られていたことが確認されていたが、今回の調査で玄室の床部分を除く側壁、天井も塗られていたことが確認された。さらに、前室の壁からも赤彩の跡を確認できた。

 また、凝灰岩でできている石室の総重量は約60トンと通常の2倍以上。基礎工事の部分からは、その重さに耐える140センチの幅に及ぶ版築(はんちく)(地固め)跡も確認された。「県内で最大の厚み」と君島利行(きみじまとしゆき)町文化財係長は説明する。

 現地説明会は31日午前10時と午後1時の2回。11月21日には町中央公民館で「みぶ車塚古墳の時代」と題してシンポジウムを開催する。

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