「海猿」氷下に潜る 日光・湯ノ湖で訓練

下野新聞
2019年2月20日

 海難救助のエキスパートで、「海猿」とも呼ばれる海上保安庁特殊救難隊の潜水訓練が19日、日光市湯元の湯ノ湖で行われた。

 「海なし県」での訓練は珍しいが、東京・羽田空港の基地から近い場所で「氷下訓練」ができるため、長年の伝統となっている。3月初旬まで、全6隊のうち4隊が交代で実施する。

 この日は第1隊の5人が訓練を行い、厚さ約50センチまで氷結した同湖を転覆船に見立てて潜水。地上は雪が降る中、冷たく暗い水中でロープを結んだり、障害物を突破したりする過酷なメニューをこなした。

 千木良優(ちぎらゆう)隊員(27)は「1月に配属され、日光での初の訓練。閉ざされた空間の厳しい環境を踏まえ、現場でどう動けるかを確認したい」と話していた。