歴史の風はらみ 白帆再び 日光・「男体山ヨットクラブ」復活

下野新聞
2018年5月1日

 100年以上前に設立され、奥日光の中禅寺湖でヨットレースを開いた「男体山ヨットクラブ」が30日、県内外の愛好者らによって復活した。同湖畔で新生クラブの発足式典と記念レースが開かれ、陽光で輝く湖面に白い帆が連なった。

 クラブは1906年、駐日英国大使らが設立。昭和初期まで存在したという。往年の姿を現代によみがえらそうと、愛好家の那須塩原市西三島6丁目、自営業秋山治(あきやまおさむ)さん(66)が中心となり、6年前からレースを開くなどしてきた。

 式典は同湖北岸の「中禅寺湖畔ボートハウス」で開かれ、理事長に就任した秋山さんが「当時の風景や文化を引き継ぐ」と高らかに発足を宣言。顧問となった地元自治会長の小島喜美男(こじまきみお)さん(68)は「ヨットの三角帆で地域活性化に協力してほしい」と述べた。

 続いて会員となった全国の愛好家約20人が、15艘(そう)のヨットを湖面に浮かべ、約1キロの直線コースを2往復するレースを展開。観光客たちは興味津々の様子で見入っていた。

 新生クラブは3~5日にも発足記念レースを行う予定。今後は年間10回程度のシリーズレース「天空レガッタ」を開いていく。

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